ヒノデホールディングス株式会社

ヒノデホールディングス株式会社は、9月9日(火)より9月11日(木)まで神戸コンベンションセンターにて開催された「第16回 世界精密鋳造会議（WCIC2025）」で、研究成果を発表しました。

また、同時開催の展示会「世界精密鋳造展」では、ヒノデキャスティング＆メタルワークス株式会社と中国五鉱集団日本法人の日本五金鉱産株式会社を中心に、日本・中国企業の計8社で共同出展しました。

「世界精密鋳造会議」は、欧州各国などで4年に1回開催される国際会議で、最新技術や開発動向に関する講演・展示が行われ、世界各国の企業や研究者が参加します。日本での開催は、2012年の京都大会以来13年ぶりとなります。

研究成果ついて

「Study on the Ductility of Nb-added Ferritic Stainless Steel Castings」
（Nb添加フェライト系ステンレス鋳鋼の延性に関する研究）

この研究は、自動車の排気系部品に使用されている「Nb添加フェライト系ステンレス鋳鋼」を対象に、鋳鋼品の延性向上に有効な製造プロセスを確立することを目的に、ヒノデグループの研究開発・製造拠点、物質材料研究機構(NIMS)、久留米高専が共同で実施しました。
この材料は、高価な合金元素を使用しないためコスト面に優れていますが、鋳造したままの状態（As-cast）で機械加工や溶接を行うと、割れが生じる懸念がありました。

今回の研究成果として、以下の点が明らかになりました。

1.Nb添加量が増えると延性が著しく低下する原因として、結晶粒界上の析出物が連続的になるため早期に粒界で破壊が生じることを解明しました。耐食性と延性の観点から、適正なNb添加量を提案しました。

2.適正Nb量の範囲であれば、延性低下の原因となる脆化相が生成される可能性が低いことを、熱分析、元素分布解析、熱力学計算によって明らかにしました。

3.適正Nb量であってもAs-castの伸びは5〜7％ですが、適切な熱処理を施すことで伸びを20％以上に著しく改善できることを見出しました。

今回の研究成果は、製造因子（Nb量や熱処理条件など）と延性の因果関係を科学的に検証したものです。
延性向上の指針を明らかにすることで、精密鋳造品の割れのリスクを低減し、信頼性の高い製品の安定的な製造を可能にします。これにより、自動車排気系部品の薄肉化や複雑形状化に対応した設計が可能となり、自動車の燃費向上、排ガス低減、省資源化を通じてカーボンニュートラルの実現に貢献することが期待されます。

〇関連論文
・Effect of Nb Content on Mechanical Properties and Solidification Microstructure of Stabilized Ferritic Stainless Cast Steel (Materials Transactions : IF 1.9)
・Effect of cooling rate after high-temperature heating on the ductility of 19Cr-0.020C-0.015N-0.4Nb stabilized ferritic stainless cast steel (Materials Science and Engineering: A : IF 7.0)

展示会について

ヒノデグループでは、研究成果をパネル展示し、自動車関連企業に対して燃費向上・省資源化が期待できる材料技術を提案しました。
また、共同出展企業の展示コーナーでは、自動車や産業機械向けのステンレス精密鋳造部品、アルミニウム合金ダイカスト部品、合金鋼鍛造部品などを展示し、来場者が製品の精度や品質を実際に確認できる機会となりました。

【共同出展企業一覧】
・ヒノデキャスティング&メタルワークス株式会社
・ヒノデホールディングス株式会社
・日本五金鉱産株式会社
・石家庄市精誠ステンレス製品有限公司
・石家庄大成冀台機械有限公司
・青島固駿機械製造有限公司
・KINGDOM FLOW CONTROL CO., LTD
・紹興市華宏精密科技有限公司

［本件に関するお問い合わせ］

日之出水道機器株式会社

産業機械マーケティンググループ

TEL:092-476-0565

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